(1) 入院前
外来通院にて採血検査・レントゲン・心エコー検査などを行った後、当科担当医より入院日及び手術日のご連絡を致します。近年のCOVID-19感染のために、入院するにはPCR検査を受けていただく必要があります。PCR検査の日も前もって担当医からご連絡致します。
心臓手術は非常に侵襲の大きな手術になるため、術前に体調を整えておくことは非常に重要です。ウイルスや細菌感染を起こしている場合は基本的に手術の延期や中止の対象となります。入院2週間前に風邪症状(せき・発熱など)や中耳炎(みみだれ、耳痛など)、発疹などの症状があった場合、また、伝染性疾患(コロナウイルス感染症・風疹・水痘・インフルエンザなど)の方と接触の機会があった場合は入院前に必ずご連絡下さい。
(2) 入院時〜手術前
入院日は一旦、4階の小児医療センター外来にて入院可能かどうかの診察を行います。診察で異常なしと診断された方のみ、入院が可能です。
(基本的には)入院日に採血検査、心電図検査、レントゲン検査(、場合によってはCT検査)を受けていただきます。手術前ですので体調維持と安静につとめて頂きます。
また、入院日から手術前日までのご都合のあう日程で、手術の詳しい説明を行います。とても重要な説明のため、必ずご両親の同席をお願いしています。麻酔科外来にて全身麻酔の説明も行われます。
(3) 手術
手術当日、基本的には手術室に午前9時に入室することになります。まず麻酔科医師により全身麻酔処置や点滴確保・中心静脈ライン確保などの準備が行われ、十分な準備が整い次第手術を開始します。終了時刻は患者様の疾患の重症度や全身状態によって異なります。手術中はご家族の方に院内での待機をお願いしております。やむを得ず外出される場合は、病棟看護師へ連絡してからにして下さいますようお願い致します。手術が終了したら、手術室から小児集中治療室(PICU)への道中で短時間の面会をしていただきます(5階の成人ICU入室の際は術後ICU内での直接面会が可能です)。集中治療室入室後、執刀医あるいは担当医より手術内容、病状、経過などを御説明させていただきます。
(4) 手術後急性期(集中治療室入室中)
心臓手術後は集中治療室(PICUまたはICU)に入室して、慎重な全身管理を行います。手術直後は口から気管までチューブが入り、機械で人工呼吸を行っています。他にもおしっこの管や多数の点滴チューブ、ドレーン(手術後に出る滲出液を心臓の周囲から逃がすためのチューブ)が体に挿入されています。適宜、採血検査・レントゲン・心エコー検査を行います。
全身状態(血圧・脈拍・尿量・体温など)が安定してきたら、麻酔薬を減らし目を覚まして頂きます。徐々に人工呼吸をやめて自分で呼吸をしてもらい、口のチューブを抜きます。人工呼吸を行う期間は、患者様の疾患の重症度や全身状態によって異なりますので、担当医から御説明いたします。人工呼吸をやめた次の日から飲水や食事が開始されます。しかし、心臓の負担を軽くするため、しばらくの間は飲水量や食事の量に制限があります。その後も全身状態が良好でしたら、徐々に点滴などが減っていきます。
現在、コロナウイルスの影響で面会が(基本的に)禁止になっております。PICUではオンライン面会等の取り組みを積極的に行っておりますので、担当看護師までお声がけ下さいますようお願い申し上げます。また、担当医からの説明を希望される場合も、遠慮なくお電話ください。
(5) 手術後慢性期(集中治療室退室後)
術後経過が安定してきたら、集中治療室を退室し一般病棟へ移ります。集中治療室から一般病棟へ移る時期は患者様によって異なるので、担当医より連絡があります。患者様によってはこの時点で小児科(循環器部門)へ転科し、小児科の先生に引き続き治療をお願いする場合もあります。一般病棟でも引き続き点滴加療を行いますが、徐々に点滴の量を減らしていきます。また、水分制限も徐々に解除されていきます。適宜、採血検査・レントゲン・心エコー検査・MRI検査を行います。点滴がなくなり、検査の結果が良好でしたら、退院となります。
基本的には、水分制限や必要な内服薬は退院後も継続されます。
(6) 退院後
退院してから10日間~2週間を目途に外来受診して頂きます。外来にて諸検査を行いながら、内服薬の調整を行います。初回の外来まではまだ免疫力も戻りきっていない時期なので基本的には自宅安静にして頂き、人混みに出かけることは避けてください。体温は毎日測定して頂き、38℃を超えるような発熱が続く場合や、ぐったりして機嫌が悪い場合等は遠慮なく相談してください。
(相談先:救急室TEL 075-251-5646、小児医療センター外来TEL 075-251-5043)