臨床研究
(イ)日本心臓血管外科手術データベース(Japan Cardiovascular Surgery Database, JCVSD)-うち、日本先天性心臓血管外科データベース(Japan Congenital Cardiovascular Surgery Database, JCCVSD)への参画
- 研究課題名:日本心臓血管外科手術データベース(Japan Cardiovascular Surgery Database, JCVSD)-うち、日本先天性心臓血管外科データベース(Japan Congenital Cardiovascular Surgery Database, JCCVSD)への参画
- 研究責任者: 京都府立医科大学 小児心臓血管外科 助教 前田吉宣
- 研究担当者: 京都府立医科大学 小児心臓血管外科 助教 藤田周平
京都府立医科大学 小児心臓血管外科 病院助教 本宮久之
- 目的:現在先天性心臓病に対する外科治療の結果に関する状況は全国規模では把握されておらず、どのような手術がどの程度の危険性で行われているのか、といった内容に関する全国規模の研究はありません。この研究では、先天性心臓病の外科治療を受ける患者さんの手術前の医学的身体状況と行われた手術およびその結果を全国的に調査し、これをデータベースとして情報を収集することにより、日本の先天性心臓病の外科治療の進歩、ひいては国民の福祉健康の増進に寄与することを目的としています。この研究が進むことにより、予定された手術の危険度が予測可能となり、患者さんにより適切な外科手術がなされるというメリットが生まれます。また、先天性心臓病を有する患者さんは、一生の間で複数回の心臓血管外科治療を要することも多く、それらの医療が複数の施設にまたがることも少なくありません。本研究では将来、データベース協力施設間で患者さんの過去の医療情報を共有できるようにすることで、患者さんが一貫した治療を受けられるようにし医療の質を向上させることも検討しています。
- 方法:手術前の身体状態・手術の内容・手術後の経過に関する情報を集め統計処理を行います。情報が正しいかを確認するために、カルテ内容のチェックを行います。
- 研究期間:2025年07月01日まで
- 研究対象者等からインフォームド・コンセントを受けるに当たっての説明事項:
(1) 実施計画への参加は任意です。
この研究への協力の同意はあなたの自由意思で決定してください。決して強制いたしません。自由なお気持ちでご判断ください。
(2) 実施計画への参加に同意しないことにより不利益な対応を受けません。
この研究への協力の同意をしなくても、あなたは診療上の不利益を被ることはありません。
(3) 同意した場合でも、いつでも文書により不利益を受けることなく撤回することができます。
一旦同意した場合でも、いつでも同意を文書により撤回することができます。その場合、あなたが不利益を受けることは一切ありません。
(4) 同意が撤回された場合、資料及び研究結果は廃棄されます。
同意を撤回された場合、情報はすべて廃棄され、診療記録などもそれ以降は研究目的に用いられることはありません。ただし、匿名化されている場合や、同意を取り消した時点で既に研究結果が論文などで公表されていた場合など結果を廃棄することができない場合があります。
(5) 研究対象者等に選ばれた理由
当施設で先天性心臓病に対して、心臓手術を施行された方を対象としています。
(6) 実施期間
承認日から2025年7月1日までと定めています。以降に研究を継続する場合は、京都府立医科大学医学倫理審査委員会において、再度承認を受けて継続いたします。
(7) 研究対象者等の本人からインフォームド・コンセントを受けることが困難な場合、その研究等の重要性及び研究対象者等の参加がなければ研究が成り立たない理由及び代諾者等を選定する理由
本来、研究へ協力の同意は患者さんご本人の意思で決定していただくのですが、この研究は先天性心臓病の方を対象としているため、研究対象者の方が十分に判断能力のない未成年者であることがほとんどです。この研究は、より多くの方に協力して頂くことによって、予定された手術の危険度がより正確に予測可能となり、より適切な外科手術がなされるというメリットが生まれます。このため、研究対象者の方に十分に判断能力がない場合、代わりに両親・家族にご理解と研究への協力の同意をして頂いた上で、研究対象者として登録します。また、意識のない場合や緊急手術などにより研究対象者の方の同意が得られない場合に関しても、代わりに両親・家族にご理解と研究への協力の同意をして頂いた上で、研究対象者として登録します。
(8) 研究対象者及び代諾者等の希望により、他の提供者等の個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で実施計画及び実施方法についての資料を入手又は閲覧することができます。
希望があれば、この実施計画の内容を見ることができます。
(9) 個人情報の保護方法
本研究では、個人の健康状態に関する情報を取り扱うため、秘密保守には厳重な配慮をおいています。収集する項目には個人を特定できる情報は必要最小限とし(手術後の状態を見させて頂くために生年月日を含んでおります)、コンピューター処理を行う際にも世界最高レベルの暗号形式を使用しています。入力されたデータと患者さん個人のカルテを照合することを可能にするような情報については、データマネージャ(助教・前田 吉宣)が鍵のかかる場所に厳重に保管します。また、情報をパソコンで管理する場合はネットワークから隔絶された状態で管理します。第三者によるカルテチェックの際にも確認項目は最小限にいたします。もちろん、個人を特定できる形での情報公開は一切行いません。将来、データベース協力施設間での患者さんの医療情報を共有し、医療の質の向上を図る目的で、非匿名化された情報から患者さん個人を推定する必要があります。そのため生年月日を含む患者情報に加えて、患者さんの出生都道府県、母親の生年月日の情報も合わせて管理させて頂きます。ただし、後二者の情報に関しては任意ですので、これらを伏せて頂いても先天性心臓血管外科データベースの研究にご協力頂くことができます。非匿名化された情報から患者さんを推定する行為は、データベース協力施設間での患者さんの過去の医療情報の共有という目的以外には行うことはありません。
(10) 試料・資料又は試料から得られた遺伝情報を他の機関へ提供する可能性とその場合は京都府立医科大学医学倫理審査委員会により、個人情報の取扱い、提供先の機関名、提供先における利用目的が妥当であることについて審査されていること
この研究は京都府立医科大学医学倫理審査委員会において、適切な研究であると承認されています。
(11) 特許権等の知的財産権を生み出した場合の帰属先について
この実施計画の結果として特許権などが生じる可能性がありますが、その権利やそれに基づく経済的利益は国、研究機関、民間企業を含む共同実施機関及び実施担当者などに属します。
(12) 成果の公表について
あなたの協力によって得られた計画の成果は、提供者本人やその家族の氏名など個人を特定できる情報は一切明らかにされないようにした上で、学会発表や学術雑誌およびデータベース上等で公に発表されることがあります。
(13) 資料の保存及び使用方法について
あなたの協力によって得られた資料は、当院の研究担当者の管理の下インターネットを介して中央施設にのみ保存され、送信元である当院にはデータは残りません。
(14) 費用負担に関する事項
ここで行われる実施計画については、通常の診療行為の範囲内であり、特別な負担は生じません。
(15) 問い合わせ、苦情等の窓口の連絡先等
その他ご意見ご質問がございましたら、担当医もしくは下記連絡先までご連絡ください。
京都府立医大病院 小児医療センター 小児心臓血管外科
〒602-8566 京都市上京区河原町通広小路上ル梶井町465
電話 075-251-5111(心臓血管外科医局 5752) FAX 075-251-7093
電子メール cvts@koto.kpu-m.ac.jp日本心臓血管外科データベース機構 代表幹事:高本眞一
日本心臓血管外科学会事務局 電話 03-5800-9120 FAX 03-5800-9121
〒113-0033 東京都文京区本郷2-26-9 鈴木ビル6階
電子メール jccvsd-adm@umin.ac.jp
(ロ) 自己結合組織片(バイオチューブ)を用いた肺動脈拡大形成
- 研究課題名:自己結合組織片(バイオチューブ)を用いた肺動脈拡大形成
- 研究責任者: 京都府立医科大学 小児心臓血管外科 講師 小田晋一郎
- 研究担当者: 京都府立医科大学 小児心臓血管外科 助教 前田吉宣
京都府立医科大学 小児心臓血管外科 助教 藤田周平
京都府立医科大学 小児心臓血管外科 病院助教 本宮久之 - 目的:肺動脈閉鎖症などの肺血流が減少する先天性心疾患では動脈管により肺血流が維持されていますが、高頻度に肺動脈の低形成を合併します。最も重症な場合には、中心肺動脈の高度低形成もしくは中心肺動脈欠損を合併し、主要体-肺動脈側副血行路が発達して大動脈から直接複数の血行路が発達します。
これらの疾患に対して、私どもは第1期手術時に「自己心膜パッチまたはロール」による肺動脈形成術を行っています。また必要であれば第2期もしくは第3期手術時に「PTFE(ゴアテックス)製人工血管パッチを用いて血管形成術を追加しています。これらの手術方法は良好な手術成績を挙げていますが、なかには人工血管を使うことによる成長阻害や、自己心膜パッチの退縮による狭窄などが稀に問題となる場合があります。現在では理想的な肺動脈拡大素材が見つかっていないのが現状です。
国立循環器病研究センター研究所との共同研究で生体内組織形成技術が開発されてきました。これは、生体内にシリコンなどの医療材料を埋め込むと、その周囲がカプセル化(結合組織体が形成)されるという正常な生体反応を利用した技術です。
皮膚の下に適切な大きさのシリコン円柱を埋め込むと約4週間程度で、それを取り巻くように管状の結合組織体が形成されます。管状に形成された結合組織体を「バイオチューブ」と呼んでいます。バイオチューブは耐圧性が生体動脈の約半分の1,000mmHgで生理的な拍動負荷に追随する力学的な整合性を有している強靱な組織です。このバイオチューブを血管に繋ぐと、約12週間程度でバイオチューブには正常の血管と同じような組織構造(内膜、中膜:平滑筋組織)が形成されて、正常と同じような構造に変化してくれることが分かっています。
今回の実施計画はこのバイオチューブを欠損あるいは狭窄した肺動脈の拡大形成の素材として利用することを目的としています。
肺動脈の血圧は20〜30mmHg程度ですので、耐圧性は充分あります。バイオチューブは全く自分の組織ですので、拒絶反応や未知のウイルスなどに感染する危険性はありません。また成長の可能性も期待できます。細菌感染を例外として、埋め込むシリコン円柱は生体適合性が良好な素材ですので、埋め込むことにより身体に害を及ぼすことはありません。万一、シリコン円柱に細菌感染を生じた場合は直ちに取り出し手術を行います。
具体的な方法として、
1) 皮下に数本のシリコン円柱を埋め込みます(第1回手術時)。
2) 第2回目の手術時にシリコン円柱とその周囲に形成されたバイオチューブを取り出し、バイオチューブを利用して肺動脈形成術を行います。
という手順をとります。シリコン円柱の埋め込み期間は最低4週間ですが、次回手術時期は心臓の状態を最優先して決定しますので、半年〜1年間埋め込む場合もあります。バイオチューブの形成には個人差があると考えられますので、バイオチューブの形成が不充分な場合には、血管形成に用いることはありません。その場合には従来のPTFE人工血管を利用することになります。
手術後に、万一バイオチューブ植え込み部位に狭窄などが生じた場合には、根治手術時等に従来のPTFE人工血管を用いて再度、血管形成術を行います。
- 方法:
初回手術時:腕頭動脈-肺動脈バイパス術(ブラロック・タウシッヒ手術)等の姑息手術時に同一切開部位(胸骨正中切開創)より腹部皮下、腹直筋直上に医療用滅菌シリコン基材を1〜3本埋入します。第一期姑息手術が不要な患者さんでは、単独で手術を行い、腹部皮下、腹直筋直上に滅菌シリコン基材を埋入します。埋入期間は4〜12ヵ月としますが、患者さんの心臓の状態によって決定します。
第二期手術もしくは根治手術時:シリコン基材と結合組織片を採取。適切なバイオチューブが作成できているか肉眼的に確認を行います。一部は組織学的検査ならびに感染症検査に供します。形状の安定性と裁断の確実性の目的でアルコール処理を行った後、バイオチューブを長軸方向に切り開き(バイオチューブグラフト)、適切な大きさに調整した後、切開した狭窄肺動脈部分に補填して縫い合わせ、肺動脈の拡大形成を行います。この手技は一連の心内修復術と同時に行います。PTFE人工血管を用いた手術の場合に比べて手術時間が延長することはありません。第二期手術が不要な症例では、根治手術時に同様の手技を行います。
バイオチューブグラフト植え込み手術後:超音波検査、CT検査、カテーテル検査などを用いてバイオチューブ植え込み部位の開存性や異常の有無、血管成長などについて定期的に確認します。
- 研究期間:2024年12月31日まで
- 研究対象者等からインフォームド・コンセントを受けるに当たっての説明事項
(1) 実施計画への参加は任意であること
この研究への同意はあなた(親権者)の自由意思で決定して下さい。決して強制いたしません。自由な気持ちでご判断下さい。
(2) 実施計画への参加に同意しないことにより不利益な対応を受けないこと
この研究への協力を同意しなくても、あなたは診療上の不利益を被ることはありません。
(3) 研究対象者又は代諾者等は、自らが与えたインフォームド・コンセントについて、いつでも不利益を受けることなく文書により撤回することができること
一旦同意した場合でも、いつでも同意を文書により撤回することができます。その場合、あなたが不利益を被ることは一切ありません。
(4) 研究対象者又は代諾者等による同意が撤回された場合には、当該撤回に係る試料・資料及び研究結果が連結不可能匿名化されている場合を除き、廃棄されること
同意を撤回された場合、情報はすべて廃棄され、診療記録などもそれ以降は研究目的に用いられることはありません。ただし、同意を取り消した時点で既に研究結果が論文などで公表されていた場合など結果を廃棄することができない場合があります。
(5) 研究対象者等に選ばれた理由
当施設で先天性心臓病に対して、自己組織片(バイオチューブ)を用いた心臓手術(肺動脈形成術)の適応がある方を対象としています。
(6) 実施期間
承認日 ~ 2024 年 12 月 31 日
(7) 研究対象者等の本人からインフォームド・コンセントを受けることが困難な場合、その研究等の重要性及び研究対象者等の参加がなければ研究が成り立たない理由及び代諾者を選定する理由
バイオチューブを用いた肺動脈形成を行うことにより良好な肺動脈発育も期待できますが、適切な対象者は肺動脈狭窄を合併した肺動脈閉鎖症の方に限定されてしまいます。本来、研究への協力の同意は患者さんご本人の意志で決定していただくのですが、この実施計画は先天性心臓病の方を対象としていますので、研究対象者の方が充分に判断能力のない未成年者であることがほとんどですので、研究対象者のご本人から意思を確認することは困難です。その代わりにご両親(親権者)・ご家族にご説明を行い、研究への協力の同意をしていただいた上で、研究対象者として登録します。
(8) 予測される結果、研究対象者等に対して予測される危険や不利益及びその対応
自己組織であるバイオチューブを用いることにより、成長の可能性のある肺動脈が作成できます。また、従来の素材である自己心膜は肥厚、退縮、狭窄といった欠点を持っており、人工血管は成長なし、狭窄の欠点を持っていますが、これらの欠点が克服されます。
一方で、バイオチューブを使用することによって新たに生じる危険性を確実に予測することは不可能です。バイオチューブが強度的に弱かった場合には、瘤状になって破裂する可能性を考えないといけません。しかし、現在までの実験結果ではバイオチューブの耐圧性は充分であると証明されています。また、狭窄病変を作る可能性も否定できませんが、従来の素材よりも多い頻度ではないと考えられます。万一、瘤形成や狭窄等の病変が生じた場合には、必要に応じてバルーン拡張術や再手術(PTFE人工血管による形成術)を施行いたします。
本研究の参加中または終了後に、本研究により万が一死亡や後遺障害が生じた場合には、本学が加入する臨床研究に関する損害賠償責任保険において補償いたします。また、死亡や後遺障害に至らない健康被害が生じた場合は、適切な治療を行うとともに、誠実に対応いたします。ただし、金銭的な補償は行いません。
(9) 研究対象者及び代諾者等の希望により、他の研究対象者等の個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で実施計画及び実施方法についての資料を入手又は閲覧することができること
研究対象者(未成年の場合は親権者)の希望があれば、他の研究対象者等の個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内でこの実施計画の内容を閲覧することができます。
(10) 個人情報の保護方法
本研究では個人の健康状態に関する情報を取り扱うため、秘密厳守に厳重な配慮をいたします。収集する項目には個人を特定できる情報は必要最小限とします。また、情報をコンピューターで管理する場合にはネットワークから隔絶した状態で管理します。もちろん、個人を特定できる形での情報公開は一切行いません。個人情報は管理者(山岸正明)が鍵のかかる場所に責任を持って厳重に保管します。
(11) 試料・資料又は試料から得られた遺伝情報を他の機関へ提供する可能性及びその場合は京都府立医科大学医学倫理審査委員会により、個人情報の取扱い、提供先の機関名、提供先における利用目的が妥当であることについて審査されていること
本研究で得られた試料は組織検査を外注業者に委託する場合がありますが、その場合は検体番号のみを提供し、個人を特定できる情報は一切提供しません。検体番号と患者本人を照合する情報(対応表等)については京都府立医科大学小児心臓血管外科において、外部に漏洩しないように厳重に保管いたします。この研究は京都府立医科大学医学倫理審査委員会において、適切な研究であると承認されています。
(12) 将来、研究の成果が特許権等の知的財産を生み出す可能性があること。特許権等の知的財産権を生み出した場合の想定される場合の帰属先
この実施計画の一部は将来的に特許権等の知的財産となる可能性があります。その場合、知的財産権は京都府立医科大学に帰属します。知的財産によって経済的利益が生じる可能性がありますが、それへの権利を被験者は主張することはできません。
(13) 成果の公表
あなたの協力によって得られた研究の成果は、提供者本人やその家族の氏名等個人を特定できる情報は一切明らかにされないようにした上で、学会発表や学術雑誌およびデータベース等で公に発表されることがあります。
(14) 試料・資料の保存及び使用方法
あなたの協力によって得られた資料は、本学の研究担当者が厳重に管理します。資料を使用する場合は、個人を特定できないように、細心の注意を払った上で使用いたします。
(15) 研究終了後の試料・資料の保存、使用又は廃棄の方法(他の研究への利用の可能性と予測される研究内容を含む)
貴重な研究資料・試料ですので、本研究終了後もあなたの同意がいただければ資料・試料を保存させていただきます。保存した資料・試料を将来別の研究に使用する場合には京都府立医科大学医学倫理審査委員会の承認を得るものとします。しかしながら、同意がいただけない場合は個人情報漏洩等が起こらないよう、細心の注意を払った上で、廃棄させていただきます。
(16) 遺伝カウンセリングの体制について
あなたの心臓病は単一遺伝子疾患によるものではありませんので、遺伝子カウンセリングの対象とはなりません。
(17) 費用負担に関する事項
ここで行われる実施計画については、通常の診療行為の範囲内であり、特別な負担は生じません。
(18) 利益相反(産学公連携活動等に伴う利益と職務遂行の責任とが相反している状態)について
本実施計画に利益相反はありません。
(19) 試料・資料の提供は無償であること
試料(組織片の一部など)の提供は、無償といたします。
(20) 実施計画は京都府立医科大学医学倫理審査委員会の承認を得ていること
本実施計画は京都府立医科大学医学倫理審査委員会の承認を得ています。
(21) 問い合わせ、苦情等の窓口の連絡先等に関する情報
ご意見、ご質問がございましたら、実施担当医もしくは下記連絡先までご連絡下さい。
連絡先 京都府立医科大学附属病院小児医療センター 小児心臓血管外科
〒602-8566 京都市上京区河原町広小路上ル梶井町465
電話、FAX: 075-251-5837
電子メール: cvts@koto.kpu-m.ac.jp
(ハ) 上大静脈還流型部分肺静脈還流異常症に対するdouble-decker法のMRIによる血流解析
- 研究課題名:上大静脈還流型部分肺静脈還流異常症に対するdouble-decker法のMRIによる血流解析
- 研究責任者: 京都府立医科大学 小児心臓血管外科 助教 前田吉宣
- 研究担当者: 京都府立医科大学 小児心臓血管外科 病院助教 本宮久之
- 目的:上大静脈還流型部分肺静脈還流異常症に対して当院で開発されたdouble-decker法による根治術を受けられた患者様に関して、術後遠隔期の体静脈還流路(上大静脈から右心房へ還る血液の流れ)と肺静脈還流路(肺から左心房に還る血液の流れ)が狭くなっていないか、あるいはそれによって流れが速くなっていないかどうかをMRIの解析によって評価することが目的です
- 意義:上大静脈還流型部分肺静脈還流異常症に対する従来の術式には、上大静脈や肺静脈の狭窄や上室性の不整脈などの合併症が少なからず存在してきました。当院では同疾患に対して1998年より新たな術式(double-decker法)を考案し、良好な成績をあげています。この研究によって肺静脈、および体静脈還流路の流れをわかりやすく評価することにより、この術式の有用性を確認します。
- 方法:この研究への参加に同意いただきましたら、カルテより以下の情報を取得し使用します。
〔取得する情報〕
エコーやカテーテル検査、およびMRIによる上大静脈・肺静脈の形態および流速など - 研究期間:2025年12月31日まで
- 研究対象者として選ばれた理由:当院で上大静脈還流型部分肺静脈還流異常症修復術を受けられた全患者様を対象にしています。
- あなたに生じる負担と予測されるリスク及び利益
このMRI検査は術後定例的に行っているものであり、被曝もないことから負担やリスクは特にありません。利益としては、検査の結果によっては今後予測しうる合併症に対して早期の治療介入の機会が与えられる可能性があることです。
- 健康被害に対する補償について
この研究では、通常の治療で使うお薬以外のお薬を使ったり、特別な医療機器による検査をしたりすることはありませんので、健康被害が生じることはないと考えられることから、特別な補償はなされません。
- この試験への参加は、あなたの自由意思によるものです
この研究に参加するかどうかは、あなたの自由意思でお決めください。あなたが参加したくないと思われましたら、遠慮なくお申し出ください。たとえ参加いただかない場合でも、今後の治療において不利益になるようなことは一切ありません。研究に参加することを同意したあと、いつでも、その同意を撤回することができますので、その場合はお申し出ください。
- 研究に関する情報公開について
この研究の結果は、あなたの氏名などあなたを直ちに特定できる情報を削除して、学会や医学の論文などで発表される予定です。
あなたのご希望があれば参加してくださった方々の個人情報の保護や、研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で、研究計画及び実施方法についての資料を入手又は閲覧することができますので、希望される場合はお申し出下さい。 - 個人情報等の取扱い
カルテに含まれる情報を、この研究に使用する際はあなたのお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。あなたと研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、セキュリティーのかかったインターネットに接続できないパソコンで管理します。このパソコンがある部屋は、入室が管理されており、第三者が立ち入ることができません。この研究で得られた情報は個人情報管理者(京都府立医科大学外科学教室 心臓血管・小児心臓血管外科部門 特任教授 山岸正明)の責任の下、厳重な管理を行います。
- 試料・情報の保存及び廃棄の方法
カルテから抽出した情報は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、京都府立医科大学外科学教室 心臓血管・小児心臓血管外科部門において特任教授 山岸正明の下、研究終了報告日から5年又は研究結果の最終公表日から3年又は論文等の発表から10年のいずれか遅い日まで保管した後、研究用の番号等を削除し、廃棄します。あらかじめ文書で同意を得られたものについては、二次研究に利用する可能性があるため、上記の保管期間を超えて適切に保管します。将来、研究に用いる場合は改めて京都府立医科大学医学倫理審査委員会において承認を受けた後に使用します。
- 研究資金及び利益相反について
利益相反とは、寄附金の提供を受けた特定の企業に有利なようにデータを操作する、 都合の悪いデータを無視するといった、企業等との経済的な関係によって、研究の公正 かつ適正な実施が損なわれるまたは損なわれているのではないかと第 3 者から懸念される状態をいいます。本研究に関する利益相反については、京都府公立大学法人の利益相 反に関する規程、京都府立医科大学の臨床研究に係る利益相反に関する規程等にしたがって管理されています。本研究の実施には特段の経費を要しません。本研究の実施にあたり、開示すべき利益相反はありません。
- 研究の成果の取扱い
この研究によって特許や企業からの寄付など経済的利益を得ることはありません。
- 経済的負担又は負担軽減について
この研究に必要な費用は、あなたが負担することはありません。ただし、一般診療に要する費用のうち自己負担分については、あなたに負担していただくことになります。
- 問い合わせ・相談等について
患者様及びその関係者から相談等があった場合は、小児心臓血管外科外来(毎週月・水)にて実施責任者(小児心臓血管外科 山岸正明)および小児心臓血管外科スタッフがその内容につき丁寧に説明します。相談件数が多い場合は、相談窓口の設置と小児心臓血管外科ホームページ(http://www.cvs-kpum.com)にてFAQを開設します
(ニ) エタノール処理自己心膜による弁形成術
- 研究課題名:エタノール処理自己心膜による弁形成術
- 研究責任者: 京都府立医科大学 小児心臓血管外科 講師 小田晋一郎
- 研究担当者: 京都府立医科大学 小児心臓血管外科 助教 前田吉宣
京都府立医科大学 小児心臓血管外科 助教 藤田周平
京都府立医科大学 小児心臓血管外科 病院助教 本宮久之 - 目的:小児の弁疾患に対しエタノール処理自己心膜による弁形成術を施行し、その安全性と有用性を検証することです。
- 意義:先天性弁疾患においては、その弁異常の程度により小児期に手術せざるを得ない症例があります。しかしながら、小さなサイズの人工弁が市販されていない現状では、特に新生児や乳児では使用出来るサイズの人工弁には限界があります。また、人工弁が使用可能であったとしても成長により人工弁が小さくなること、人工物による感染の可能性や抗凝固薬投与の必要性など、その適応には慎重にならざるを得ません。そこで、われわれは自己組織である自己心膜を用いて弁形成術を行うことでこれらの問題点を解決したいと考えています。
- 研究期間:承認日~2025年3月31日
- 方法:
(1) 手術時に心膜を採取します。採取した心膜を消毒用エタノール「ケンエー」(健栄製薬株式会社、エタノール76.9〜81.4vol%を含有)に10分間浸して処理します。その後生食で1分間洗浄することを5回繰り返して余剰エタノールを除去します。患者様の体格や弁形態に応じて適切な大きさ・形に切りぬき、吸収糸もしくは非吸収糸を用いて縫うことで、弁形成術を行います。
(2)エタノール処理心膜を用いた弁形成術後は超音波検査、カテーテル検査、MRI、CT検査で長期にわたって形成弁の弁機能、感染の有無、血栓形成の有無、弁輪径測定における弁輪成長の有無につき評価します。超音波検査の間隔は術後半年間までは1ヶ月毎、その後術後1年までは3ヶ月毎、以後は症例によって3ヶ月〜1年毎とします。カテーテル検査やCT検査は被曝の問題を有し、MRI検査は比較的長時間の撮影時間の問題があるため、いずれかの検査を術後1年までに1回、その後は1年毎に行うことを原則としますが超音波検査で異常が認められなかった症例では3年毎とします。
再手術を余儀なくされた場合にはエタノール処理自己心膜を摘出し、顕微鏡を用いて評価を行います。本研究に不参加の場合は従来のアルデヒド処理自己心膜による弁形成術を行います。また、術後検査は上記のエタノール処理自己心膜を用いた場合に準じて行います。
- 研究対象者として選ばれた理由:当院で先天性弁疾患に対し弁形成術を要し、本法による手術を受けられた全患者様を対象にしています。
- あなたに生じる負担と予測されるリスク及び利益
文献とされていませんがエタノール処理自己心膜は以前よりアメリカでは実際に臨床で使用されています。また、動物実験ではその耐久性に問題はありません1)2)3)。よってホルムアルデヒド処理自己心膜を使用した弁形成術と比べ、エタノール処理自己心膜を用いた弁形成術でも、弁の耐久性には問題はなく負担は増加しないと考えています。リスクとしてエタノールにより周囲組織が変性する可能性がありますが、十分に洗浄することで余分なエタノールは除去可能です。また、現在まで3症例の使用経験では術後2年、1.7年、10ヶ月経過していますが、全例が経過良好であり耐久性については問題ありません。
利益はエタノール処理自己心膜による弁形成術により、人工弁置換術が回避され、弁輪の成長の可能性が期待されます。また、自己組織であるため、未知のウイルスなどによる感染や移植拒絶反応は生じません。
1) D.C.Marchion et al.Cellular Expression of PCNA and Procollagen in Vital and Ethanol-treated Autologous Pericardial Implants in Sheep. J Heart Valve Dis 2003;12:87-92
2) D.T. Cheung, et al. Behavior of Vital and Killed Autologous Pericardium in the Descending Aorta of Sheep. J Thorac Cardiovasc Surg 1999; 118:998-1005
3) N. Vyavahare, et al. Prevention of Bioprosthetic Heart Valve Calcification by Ethanol Preincubation. circulation, 1997; 95:479-488
- 健康被害に対する補償について
この研究では、 万が一健康被害が生じた場合でも、医療費の支払いや補償金の支払いなどの補償はなされません。保険診療での対応となりますことを、予めご了承ください。ただし、この場合も最善の治療を行います。
- この試験への参加は、あなたの自由意思によるものです
この研究に参加するかどうかは、あなたの自由意思でお決めください。あなたが参加したくないと思われましたら、遠慮なくお申し出ください。たとえ参加いただかない場合でも、今後の治療において不利益になるようなことは一切ありません。また、この研究にご同意いただいた後でも、いつでも不利益を受けることなく撤回することができます。ただし、一旦研究論文として発表等を行った段階では、情報を廃棄できない事もあります。なお、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で、研究計画及び実施方法についての資料を入手又は閲覧することができますので、希望される場合は担当医師までお申し出下さい。
- 研究に関する情報公開について
大学病院医療情報ネットワーク(University Hospital Medical Information Network = UMIN)にデータベース登録を行い、研究結果は公表されますが、個人情報は守られます。UMIN登録番号:000031219
- 個人情報等の取扱い
本研究実施に係る試料・情報を取扱う際は、研究責任者(小児心臓血管外科 特任教授 山岸正明)が、患者様の個人情報とは無関係の番号をつけた上で管理し、患者様の秘密保護に十分配慮します。また、その情報をパソコンで管理する場合は個人情報の漏洩を防ぐためにネットワークから隔絶された状態で管理します。試料・情報を研究事務局等の関連機関に送付する場合はこの番号を使用し、患者様の個人情報が院外に漏れないよう十分配慮します。また、研究の結果を公表する際は、被験者を特定できる情報を含まないようにします。研究の目的以外に、研究で得られた被験者の試料・情報は使用しません。
- 試料・情報の保存及び廃棄の方法
データ収集は実施責任者(小児心臓血管外科 山岸正明)の厳重管理の下、小児心臓血管外科スタッフが行います。患者様の個人情報には、イニシャルと生年月日が含まれるが、それだけで個人を特定できる情報ではありません。患者様のデータとカルテを照合することを可能にする情報については情報管理者(小児心臓血管外科 山岸正明)が施錠可能なロッカーに責任を持って厳重に保管します。また、対応表などをパソコンで管理する場合は個人情報の漏洩を防ぐためにネットワークから隔絶された状態で管理します。
- 研究資金及び利益相反について
「利益相反」とはある人の持っている2つの異なる役割における利益がお互いに相反している状況のことを指しますが、本研究に関わる研究者は、本研究の内容と関係する特定の企業からの資金提供を受けておらず、研究資金は京都府立医科大学から配分される教室費でまかなうため、「利益相反」の状態にはありません。
- 研究の成果の取扱い
この研究によって特許や企業からの寄付など経済的利益を得ることはありません。
- 経済的負担又は負担軽減について
検査結果の提供などは無償で行います。謝礼は支払われません。
- モニタリングと監査について
モニタリングは6か月ごとに1度、実施担当者が従事し、実施責任者(小児心臓血管外科 特任教授 山岸正明)に結果を報告します。評価項目は対象患者の有害事象の有無、個人情報の取り扱いとし、研究が本研究計画書に基づいて適切に行われているかを評価します。また、必要に応じて監査も行います。
- 問い合わせ・相談等について
患者様及びその関係者から相談等があった場合は、小児心臓血管外科外来(毎週月・水)にて実施責任者(小児心臓血管外科 山岸正明)および小児心臓血管外科スタッフがその内容につき丁寧に説明します。相談件数が多い場合は、相談窓口の設置と小児心臓血管外科ホームページ(http://www.cvs-kpum.com)にてFAQを開設します。
(ホ) 主要体肺動脈側副血行路合併の先天性心奇形に対する臨床研究
- 研究課題名:主要体肺動脈側副血行路合併の先天性心奇形に対する臨床研究
- 研究責任者: 京都府立医科大学 小児心臓血管外科 助教 前田吉宣/li>
- 研究担当者: 京都府立医科大学 小児心臓血管外科 病院助教 本宮久之
- 目的:主要体肺動脈側副血行路合併の先天性心奇形に対し、肺動脈統合術および根治術(機能的根治術を含む)前後のデーターを解析することでその治療成績の向上を目指します。
- 意義:主要体肺動脈側副血行路合併の先天性心奇形に対する治療方針については未だ議論されており、残念ながらその治療成績は満足いくものではありません。当院では本疾患群に対して基本的には一期的肺動脈統合化手術と両心室型根治術可能例では姑息的右室流出路再建術を単心室型根治術選択例では体肺動脈短絡術を先行したのちに根治術へ到達する治療方針を選択し、良好な中期遠隔期成績を得ています。本研究では術前後のデーターを解析することで、本治療方針の有用性につき検証します。
- 研究期間:2025年12月31日まで
5年以内に倫理審査委員会で継続の審査を受ける。
- 方法:術前後の心エコー検査、CT検査、カテーテル検査、MRI検査による心血管形態、特に主要体肺動脈側副血行路の本数・形態・走行、周辺臓器との位置関係、肺動脈の形態および肺動脈圧、右室圧、体肺動脈血流比などの心および肺動脈機能を評価項目とし、カルテからこれらのデーターを取り出し評価します。
- 研究対象者として選ばれた理由
当院で主要体肺動脈側副血行路合併先天性心奇形に対し手術を受けられた全患者様を対象にしています。
- あなたに生じる負担と予測されるリスク及び利益
術前後の心エコー検査、CT検査、カテーテル検査、MRI検査による心血管形態、特に主要体肺動脈側副血行路の本数・形態・走行、周辺臓器との位置関係、肺動脈の形態および肺動脈圧、右室圧、体肺動脈血流比などの心および肺動脈機能を評価項目とします。通常診療で行う検査から得られるデータのみを使用し、研究に参加することにより追加の検査はありません。利益としては、検査の結果によっては今後予測しうる合併症に対して早期の治療介入の機会が与えられる可能性があることです。
- この試験への参加は、あなたの自由意思によるものです。
この研究に参加するかどうかは、あなたの自由意思でお決めください。あなたが参加したくないと思われましたら、遠慮なくお申し出ください。たとえ参加いただかない場合でも、今後の治療において不利益になるようなことは一切ありません。
また、この研究にご同意いただいた後でも、いつでも不利益を受けることなく撤回することができます。ただし、一旦研究論文として発表等を行った段階では、撤回できないこともある事もあります。なお、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で、研究計画及び実施方法についての資料を入手又は閲覧することができますので、希望される場合は担当医師までお申し出下さい。
- 研究に関する情報公開について
研究結果は公表されますが、個人情報は守られます。
- 個人情報等の取り扱い
本研究実施に係る試料・情報を取扱う際は、研究責任者(小児心臓血管外科 特任教授 山岸 正明)が、患者様の個人情報とは無関係の番号をつけた上で管理し、患者様の秘密保護に十分配慮します。また、その情報をパソコンで管理する場合は個人情報の漏洩を防ぐためにネットワークから隔絶された状態で管理します。また、研究の結果を公表する際は、被験者を特定できる情報を含まないようにします。研究の目的以外に、研究で得られた被験者の試料・情報は使用しません。
- 試料・情報の保存及び廃棄の方法
データ収集は実施責任者(小児心臓血管外科 山岸正明)の厳重管理の下、小児心臓血管外科スタッフが行います。患者様の個人情報には、イニシャルと生年月日が含まれるが、それだけで個人を特定できる情報ではありません。入力されたデータと患者カルテを照合することを可能にする情報(対応表)については情報管理者(小児心臓血管外科 山岸正明)が施錠可能なロッカーに責任を持って厳重に保管することとします。また、対応表などをパソコンで管理する場合は個人情報の漏洩を防ぐためにネットワークから隔絶された状態で管理します。保管期間は情報の保管期間について、「京都府立医科大学における研究資料等の保存期間等に関する取扱要領」に則り、論文発表後10年とします。
- 研究の資金源等、研究機関の研究に係る利益相反及び個人の収益等、研究者等の研究に係る利益相反について
「利益相反」とはある人の持っている2つの異なる役割における利益がお互いに相反している状況のことを指しますが、本研究に関わる研究者は、本研究の内容と関係する特定の企業からの資金提供を受けておらず、研究資金は京都府立医科大学から配分される教室費でまかなうため、「利益相反」の状態にはありません。
- 経済的負担又は謝礼について
検査結果の提供などは無償で行います。謝礼は支払われません。
- 問い合わせ、相談等の窓口の連絡先等について
患者様及びその関係者から相談等があった場合は、小児心臓血管外科外来(毎週月・水)にて実施責任者(小児心臓血管外科 山岸正明)および小児心臓血管外科スタッフがその内容につき丁寧に説明します。相談件数が多い場合は、相談窓口の設置と小児心臓血管外科ホームページ(http://www.cvs-kpum.com)にてFAQを開設します。
(ヘ) アルコール処理自己心膜を用いた肺動脈拡大形成術
- 研究課題名:アルコール処理自己心膜を用いた肺動脈拡大形成術
- 研究責任者: 京都府立医科大学 小児心臓血管外科 講師 小田晋一郎
- 研究担当者: 京都府立医科大学 小児心臓血管外科 助教 前田吉宣
京都府立医科大学 小児心臓血管外科 助教 藤田周平
京都府立医科大学 小児心臓血管外科 病院助教 本宮久之 - 共同研究機関:熊本市立熊本市民病院 小児心臓外科 診療部長 深江 宏治
- 目的:小児の肺動脈狭窄を伴う疾患群に対しアルコール処理自己心膜を用いた肺動脈拡大形成術を施行し、その安全性と有用性を検証することです。
- 意義:先天性心疾患においては、肺動脈狭窄を合併していることがあります。肺血流の左右不均衡は将来的な生活の質(QOL)を下げる可能性があります。このような場合、手術により肺動脈を拡大形成する必要があります。肺動脈の拡大形成に用いる素材ですが、従来、新鮮自己心膜やアルデヒド処理自己心膜、ePTFE人工血管パッチ、ホモグラフト、市販されている異種(ウシ)由来の心膜パッチなどが用いられてきましたが、成長の問題や石灰化、処理液による退縮などの問題点を有しており、残念ながら現状では満足できる素材がありません。そこで、われわれは自己組織である自己心膜をアルコール処理することでこれらの問題点を解決したいと考えています。
- 研究期間:承認日~2024年12月31日
- 方法:
(1) 手術時に心膜を採取します。採取した心膜を消毒用エタノール「ケンエー」(健栄製薬株式会社、エタノール76.9〜81.4vol%を含有)または同等品に10分間浸して処理します。その後生食で1分間洗浄することを5回繰り返して余剰エタノールを除去します。患者様の体格や肺動脈形態に応じて適切な大きさ・形に切りぬき、吸収糸もしくは非吸収糸を用いて縫うことで、肺動脈拡大形成術を行います。
(2) アルコール処理心膜を用いた弁形成術後は超音波検査、カテーテル検査、MRI、CT検査で長期にわたって肺動脈の形態、感染の有無、血栓形成の有無、肺動脈径測定における成長の有無につき評価します。超音波検査の間隔は術後半年間までは1ヶ月毎、その後術後1年までは3ヶ月毎、以後は症例によって3ヶ月〜1年毎とします。カテーテル検査やCT検査は被曝の問題を有し、MRI検査は比較的長時間の撮影時間の問題があるため、いずれかの検査を術後1年までに1回、その後は1年毎に行うことを原則としますが超音波検査で異常が認められなかった症例では3年毎とします。再手術を余儀なくされた場合にはアルコール処理自己心膜を摘出し、顕微鏡を用いて評価を行います。本研究に不参加の場合は従来のアルデヒド処理もしくは新鮮自己心膜による肺動脈拡大形成術を行います。また、術後検査は上記のアルコール処理自己心膜を用いた場合に準じて行います。取得する情報は年齢、性別、身長、体重、術前・術後の形成肺動脈の性状、感染の有無、血栓形成の有無、肺動脈径測定における成長の有無、術中所見です。
- 研究対象者として選ばれた理由
京都府立医科大学附属病院 小児心臓血管外科および熊本市立熊本市民病院 小児心臓外科で先天性心疾患に対し肺動脈拡大形成術を要し、本法による手術を受けられる全患者さんを対象としています。
なお、未成年の患者さんに参加していただくのは小児に多くみられる病気で、本手術を施行するため、未成年の患者さんのご協力が必要不可欠となります。ご協力をお願いいたします。
- あなたのお子さんに生じる負担と予測されるリスク及び利益
アルコール処理自己心膜は動物実験ではその耐久性に問題はありません1)2)3)。よってホルムアルデヒド処理自己心膜を使用した肺動脈拡大形成術と比べ、アルコール処理自己心膜を用いた肺動脈拡大形成術でも、心膜の耐久性には問題はなく負担は増加しないと考えています。
リスクとしてアルコールにより周囲組織が変性する可能性がありますが、十分に洗浄することで余分なアルコールは除去可能です。
利益はアルコール処理自己心膜による肺動脈拡大形成術により、肺動脈の成長の可能性が期待されます。また、自己組織であるため、未知のウイルスなどによる感染や移植拒絶反応は生じません。
1) D.C.Marchion et al.Cellular Expression of PCNA and Procollagen in Vital and Ethanol-treated Autologous Pericardial Implants in Sheep. J Heart Valve Dis 2003;12:87-92
2) D.T. Cheung, et al. Behavior of Vital and Killed Autologous Pericardium in the Descending Aorta of Sheep. J Thorac Cardiovasc Surg 1999; 118:998-1005
3) N. Vyavahare, et al. Prevention of Bioprosthetic Heart Valve Calcification by Ethanol Preincubation. circulation, 1997; 95:479-488
- 健康被害に対する補償について
本研究の参加中または終了後に、本研究により万が一死亡や後遺障害が生じた場合には、本学が加入する臨床研究に関する損害賠償責任保険において補償します。また、死亡や後遺障害に至らない健康被害が生じた場合は、適切な治療を行うとともに、誠実に対応します。ただし、金銭的な補償は行いません。
- この試験への参加は、あなたの自由意思によるものです
この研究に参加するかどうかは、あなたの自由意思でお決めください。あなたが参加したくないと思われましたら、遠慮なくお申し出ください。たとえ参加いただかない場合でも、今後の治療において不利益になるようなことは一切ありません。
この研究に参加しない場合の治療としては、従来のアルデヒド処理もしくは新鮮自己心膜による肺動脈拡大形成術が一般的です。選択できる治療法については、担当医師とよくご相談ください。
研究に参加することを同意したあと、いつでも、その同意を撤回することができますので、その場合はお申し出ください。
同意を撤回された場合は、診療記録などはそれ以降は研究目的に用いられることはありません。ただし、同意を取り消した時点で既に研究結果が論文などで公表されていた場合などのように、廃棄することができない場合があります。
- 研究に関する情報公開について
この研究の結果は、あなたのお子さんの氏名などあなたのお子さんを直ちに特定できる情報を削除して、学会や医学の論文などで発表される予定です。
あなたのご希望があれば参加してくださった方々の個人情報の保護や、研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で、研究計画及び実施方法についての資料を入手又は閲覧することができますので、希望される場合はお申し出下さい。
この研究はUMIN-CTR(大学病院医療情報ネットワーク臨床試験登録システム)に登録し、情報公開しています。(登録番号:UMIN000031219)
- 個人情報等の取扱い
カルテに含まれる情報を、この研究に使用する際はあなたのお子さんのお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。あなたのお子さんと研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、セキュリティーのかかったインターネットに接続できないパソコンで管理します。このパソコンがある部屋は、入室が管理されており、第三者が立ち入ることができません。
この研究で得られた情報は研究責任者(京都府立医科大学 心臓血管・小児心臓血管外科 特任教授 山岸 正明)の責任の下、厳重な管理を行います。
- 試料・情報の保存及び廃棄の方法
カルテから抽出した情報、血液や病理組織などの試料は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、京都府立医科大学小児心臓血管外科医局において病院教授 山岸正明の下、論文発表後、情報は10年間、試料は5年間保存させていただいた後、研究用の番号等を削除し、廃棄します。
- 研究資金及び利益相反について
「利益相反」とは、寄附金の提供を受けた特定の企業に有利なようにデータを操作する、都合の悪いデータを無視するといった、企業等との経済的な関係によって、研究の公正かつ適正な実施が損なわれるまたは損なわれているのではないかと第 3 者から懸念される状態をいいます。本研究に関わる研究者は、本研究の内容と関係する特定の企業からの資金提供を受けておらず、研究資金は京都府立医科大学から配分される教室費でまかなうため、「利益相反」の状態にはありません。
- 研究の成果の取扱い
この研究によって特許や企業からの寄付など経済的利益を得ることはありません。
- 経済的負担又は謝礼について
この研究に必要な費用は、あなたが負担することはありません。ただし、一般診療に要する費用のうち自己負担分については、あなたに負担していただくことになります。
- モニタリングと監査について
この研究が正しく行われていて秘密が守られることを前提として、モニタリングや監査、医学倫理審査委員会関係者などが、必要な範囲内で、この研究に参加していただいている皆さまの試料・情報を閲覧する場合があります。
この研究に参加することに同意され、同意書にご署名をいただいた場合、あなたの医療記録を閲覧させていただくことについてもご承諾をいただいたことになります。
- 問い合わせ・相談等について
あなた及びその関係者から相談等があった場合は、小児心臓血管外科外来(毎週水)にて実施責任者(小児心臓血管外科 山岸正明)および小児心臓血管外科スタッフがその内容につき丁寧に説明します。相談件数が多い場合は、相談窓口の設置と小児心臓血管外科ホームページ(http://www.cvs-kpum.com)にてFAQを開設します。
(ト) 左室流出路狭窄を伴う完全大血管転位症、心室中隔欠損症および両大血管右室起始症に対するハーフターントランカルスイッチ手術の成績
- 研究課題名:左室流出路狭窄を伴う完全大血管転位症、心室中隔欠損症および両大血管右室起始症に対するハーフターントランカルスイッチ手術の成績
- 研究責任者: 京都府立医科大学 小児心臓血管外科 助教 浅田聡
- 研究担当者: 京都府立医科大学 小児心臓血管外科 助教 前田吉宣
京都府立医科大学 小児心臓血管外科 助教 藤田周平
京都府立医科大学 小児心臓血管外科 病院助教 本宮久之 - 目的:左室流出路狭窄を伴う完全大血管転位症、心室中隔欠損症および両大血管右室起始症に対して当院で開発されたハーフターントランカルスイッチ手術を受けられた患者様に関して、従来の術式の合併症である右心室や左心室の流出路が狭くなっていないかどうか、冠動脈に十分な血流が流れているかどうかを評価することが目的です
- 意義:左室流出路狭窄を伴う完全大血管転位症、心室中隔欠損症および両大血管右室起始症に対する従来の術式には、右心室および左心室の流出路狭窄や冠動脈の血流不全などの合併症が少なからず存在してきました。当院では同疾患に対して平成14年より新たな術式(ハーフターントランカルスイッチ手術)を考案し、良好な成績をあげています。この研究によってこの術式の有用性を確認します。
- 研究期間:承認日~2025年12月31日
- 方法:
ハーフターントランカルスイッチ手術後の術後検査において、一般的な心臓術後の検査項目だけでなく、左心室および右心室の流出路に狭窄がないかどうか、それぞれの部分の流速を測定し、狭窄が原因であると思われる加速がないかどうかを検討します。また、3D-CT・4D-flow MRIを用いて形態的に流れが悪い部分がないかどうかを確認します。上記の評価項目を診療録と検査結果から採取し、検討を行います。MRI結果に関しては、電子カルテ上からDICOMという形式のファイルとして取り出し、Cardio Flow Station 4D Flow MRI Postprocessorという血液の流れ専用の解析ソフトを用いて解析します。3D-CTも同様に、電子カルテ上からDICOMという形式のファイルとして取り出し、評価を行います。
- 研究対象者として選ばれた理由:当院でハーフターントランカルスイッチ手術を受けられた全患者様を対象にしています。なお、未成年の患者さんに参加していただくのは小児に多くみられる病気のため、未成年の患者さんのご協力が必要不可欠となります。ご協力をお願いいたします。
- 患者様に生じる負担と予測されるリスク及び利益
この検査は術後定例的に行っているものであり、負担やリスクは特にありません。利益としては、検査の結果によっては今後予測しうる合併症に対して早期の治療介入の機会が与えられる可能性があることです。
- この試験への参加は、患者様の自由意思によるものです
この研究に参加するかどうかは、患者様の自由意思でお決めください。患者様が参加したくないと思われましたら、遠慮なくお申し出ください。たとえ参加いただかない場合でも、今後の治療において不利益になるようなことは一切ありません。
また、この研究にご同意いただいた後でも、いつでも不利益を受けることなく撤回することができます。ただし、一旦研究論文として発表等を行った段階では、撤回できないこともある事もあります。
なお、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で、研究計画及び実施方法についての資料を入手又は閲覧することができますので、希望される場合は担当医師までお申し出下さい。
- 研究に関する情報公開について
この研究の結果は、患者様の氏名など患者を直ちに特定できる情報を削除して、学会や医学の論文などで発表される予定です。患者様のご希望があれば参加してくださった方々の個人情報の保護や、研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で、研究計画及び実施方法についての資料を入手又は閲覧することができますので、希望される場合はお申し出下さい。
- 個人情報等の取扱い
本研究実施に係る情報を取扱う際は、研究責任者(小児心臓血管外科 病院教授 山岸 正明)が、患者様の個人情報とは無関係の番号をつけた上で管理し、患者様の秘密保護に十分配慮します。また、その情報をパソコンで管理する場合は個人情報の漏洩を防ぐためにネットワークから隔絶された状態で管理します。また、研究の結果を公表する際は、被験者を特定できる情報を含まないようにします。研究の目的以外に、研究で得られた被験者の情報は使用しません。
- 試料・情報の保存及び廃棄の方法
データ収集は実施責任者(小児心臓血管外科 山岸正明)の厳重管理の下、小児心臓血管外科スタッフが行います。患者の個人情報には、イニシャルと生年月日が含まれるが、それだけで個人を特定できる情報ではありません。患者様のデータとカルテを照合することを可能にする情報については情報管理者(小児心臓血管外科 山岸正明)が施錠可能なロッカーに責任を持って厳重に保管します。また、対応表などをパソコンで管理する場合は個人情報の漏洩を防ぐためにネットワークから隔絶された状態で管理します。保管期間は情報の保管期間について、「京都府立医科大学における研究資料等の保存期間等に関する取扱要領」に則り、論文発表後10年とします。
もし、患者様が同意してくだされば、将来新たな研究を行う際の貴重な試料や情報として、保管期間を超えて保管し、新たな研究を行う際の貴重な試料・情報として利用させていただきたいと思います。新たな研究を行う際にはあらためてその研究計画を医学倫理審査委員会で審査し承認を得ます。
- 研究資金及び利益相反について
利益相反とは、寄附金の提供を受けた特定の企業に有利なようにデータを操作する、都合の悪いデータを無視するといった、企業等との経済的な関係によって、研究の公正かつ適正な実施が損なわれるまたは損なわれているのではないかと第3者から懸念される状態をいいます。本研究に関する利益相反については、京都府公立大学法人の利益相反に関する規程、京都府立医科大学の臨床研究に係る利益相反に関する規程等にしたがって管理されています。本研究の実施にあたり、開示すべき利益相反はありません。この研究資金は全て教室費から負担されますが、一般診療に要する費用のうち自己負担分については、患者様に負担していただくことになります。
- 経済的負担又は謝礼について
この研究に必要な費用は、患者様が負担することはありません。ただし、一般診療に要する費用のうち自己負担分については、患者様に負担していただくことになります。
- 問い合わせ・相談等について
患者様及びその関係者から相談等があった場合は、小児心臓血管外科外来(毎週月・水)にて実施責任者(小児心臓血管外科 山岸正明)および小児心臓血管外科スタッフがその内容につき丁寧に説明します。相談件数が多い場合は、相談窓口の設置と小児心臓血管外科ホームページ(http://www.cvs-kpum.com)にてFAQを開設します。
(チ) 自己結合組織片(in vivo tissue engineered sheet graft)を用いた弁形成術
- 研究課題名:自己結合組織片(in vivo tissue engineered sheet graft)を用いた弁形成術
- 研究責任者: 京都府立医科大学 小児心臓血管外科 講師 小田晋一郎
- 研究担当者: 京都府立医科大学 小児心臓血管外科 助教 前田吉宣
京都府立医科大学 小児心臓血管外科 助教 藤田周平
京都府立医科大学 小児心臓血管外科 病院助教 本宮久之 - 目的:小児の弁疾患に対して生体内組織形成技術によって作成したシートを弁形成の材料として使用し、その安全性と有用性を検証することです。
- 意義:先天性弁疾患においては、その弁異常の程度により小児期に手術せざるを得ない症例があります。しかしながら、小さなサイズの人工弁が市販されていない現状において、特に新生児や乳児では人工弁が使用出来る体格には制限があります。また、人工弁が使用可能であったとしても成長により体格と比較して人工弁が小さくなってくること、人工物に対する感染のリスクや抗凝固薬内服の必要性など、人工弁使用は慎重にならざるを得ません。そこで、われわれは体内で予め弁形成に用いる自己組織からなるシートを形成しておき(in vivo tissue engineered sheet graft、以下in vivo-TESG)弁形成術に使用することでこれらの問題点を解決したいと考えています。
- 研究期間:承認日~2030年12月31日
- 方法:
弁形成術に先立って、4ヶ月から12ヶ月前に結合組織片、
in vivo -TESGの足場を埋め込みます。具体的には、局所麻酔または全身麻酔下に、シリコンでできた基材を腹部の皮膚の下に埋め込みます。基材の形状は円柱状ないし棒状で、大きさは径3〜6mm、長さ30〜50mm、本数は1〜4本を体格や疾患に応じて決定します。埋入後から手術までの期間は患者さんの状態を見ながら決定します。実際の弁形成術の際には、まずシリコン基材と一緒に
in vivo -TESGを皮膚の下から取り出します。シリコン基材を抜き取り、筒状の組織片は切り開いて長方形のシートとします。それを適切な形状にデザインしながら、弁尖をすべて置き換えるか、もしくは弁の先端に縫い付けるなどして弁を修理します。使わなかった部分は組織検査や物理学的検査、必要に応じて感染症検査で詳しく評価させていただきます。植え込み手術後は超音波検査、MRI、CT、カテーテル検査などを用いて長期にわたって逆流や狭窄が生じないか、弁の動きはどうか、ぶ厚くなったり、血栓ができたりしないか、弁輪は成長しているかなど多角的に評価します。もし再手術を余儀なくされた場合には弁を摘出し、組織の評価を行います。
- 研究対象者として選ばれた理由:手術による治療が必要な弁疾患をお持ちの患者さんのうち、弁置換手術よりも弁形成手術の方が適しているが、以前に心臓手術を受けたことがあるなどの理由で心膜が弁形成手術に使えないことが予想される18歳未満の方を対象としています。
- あなたに生じる負担と予測されるリスク及び利益
弁形成術の素材として自己結合組織片(
in vivo -TESG)を使用することで、従来であれば弁置換術が可能になるまで薬物によって心不全治療をしながら身体の成長を待つしかなかった患者さんに対して、適切なタイミングで手術することが可能となります。弁の狭窄や逆流のせいで長期に渡って心臓に負担がかかると、徐々に心臓の機能は低下し、最終的には弁を治しても元に戻らない程の機能障害となる可能性があります。そのため出来るだけ早く弁の機能を取り戻すことが重要なのです。また、完全に自分の組織のため、未知のウイルスなどによる感染や拒絶反応の心配はありません。また、限りのある自己心膜とは異なり基材の埋め込みを繰り返すことで理論上何度でも再手術が可能です。
一方で、この治療特有の負担及びリスクとして考えられるのはシリコン基材を埋没するためだけに外科的処置を行う必要があることで、年齢によっては全身麻酔が必要となります。また、埋没部の化膿や傷が開くなどのトラブルの危険性や、摘出時に皮膚を損傷するなどの危険性もあります。また、この治療で作成された弁は長期的にどれだけ耐久性があるのかまだ分かっておらず、場合によっては自己心膜よりも早く劣化する可能性もあります。自己心膜を用いた弁形成術でも同じことが言えますが、新しい弁が患者さんの成長に見合って大きくなってくれない場合には弁自体に問題がなくても逆流や狭窄が生じる恐れがあります。新しい弁には血栓が付着しやすいため、脳梗塞の予防として抗凝固薬を手術後しばらくは服用していただきます。
- 健康被害に対する補償について
埋没部の軽いトラブルについては通常の診療と同様に適切に対処させて頂き、この際の費用は患者さんの加入している健康保険が使用されます。さらに高度な健康被害が発生した場合に備え、臨床研究保険に加入しています。万が一、この研究への参加により重い健康被害(死亡、後遺障害1級・2級)が生じた場合にはこの保険から補償の給付を受けることができます。
- この試験への参加は、あなたの自由意思によるものです
この研究に参加するかどうかは、あなたの自由意思でお決めください。あなたが参加したくないと思われましたら、遠慮なくお申し出ください。たとえ参加いただかない場合でも、今後の治療において不利益になるようなことは一切ありません。
ただし、研究に参加せずにこの自己結合組織片を用いた弁形成術を受けていただくことはできません。研究に参加されない場合には従来通りの治療法を選択します。具体的には患者さんご自身の弁組織だけを使って弁形成を試みるか、もしくは最も小さい人工弁が使えるような体格になるまで、お薬の治療を継続しながら待機するかです。
研究に参加することを同意したあと、いつでも、その同意を撤回することができますので、その場合はお申し出ください。同意を撤回された場合は得られた情報などはすべて廃棄され、診療記録などもそれ以降は研究目的に用いられることはありません。ただし、同意を取り消した時点で既に研究結果が論文などで公表されていた場合などのように、廃棄することができない場合があります。
- 研究に関する情報公開について
この研究はUMIN臨床試験データベースに登録申請中です。
この研究の結果は、あなたの氏名などあなたを直ちに特定できる情報を削除して、学会や医学の論文などで発表される予定です。あなたのご希望があれば参加してくださった方々の個人情報の保護や、研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で、研究計画及び実施方法についての資料を入手又は閲覧することができますので、希望される場合はお申し出下さい。
- 個人情報等の取扱い
本研究実施に係る情報を取扱う際は、研究責任者(小児心臓血管外科 特任教授 山岸 正明)が、患者様の個人情報とは無関係の番号をつけた上で管理し、患者様の秘密保護に十分配慮します。また、その情報をパソコンで管理する場合は個人情報の漏洩を防ぐためにネットワークから隔絶された状態で管理します。また、研究の結果を公表する際は、被験者を特定できる情報を含まないようにします。研究の目的以外に、研究で得られた被験者の試料・情報は使用しません。
- 試料・情報の保存及び廃棄の方法
データ収集は実施責任者(小児心臓血管外科 山岸正明)の厳重管理の下、研究担当者が行います。患者様の個人情報は個人を特定できないよう研究用の番号を用いて管理します。患者様のデータとカルテを照合することを可能にする情報については個人情報管理者(小児心臓血管外科 山岸正明)が施錠可能なロッカーに責任を持って厳重に保管します。また、対応表などをパソコンで管理する場合は個人情報の漏洩を防ぐためにネットワークから隔絶された状態で管理します。もし、あなたが同意してくだされば、将来新たな研究を行う際の貴重な試料や情報として、保管期間を超えて保管し、新たな研究を行う際の貴重な試料・情報として利用させていただきたいと思います。新たな研究を行う際にはあらためてその研究計画を医学倫理審査委員会で審査し承認を得ます。研究終了後は、論文発表後10年間保存させていただいた後、研究用の番号等を削除し、廃棄します。得られた試料は研究室内の冷凍庫においてマイナス5度の状態で適切に保管し、その後は適切に廃棄します。
- 研究資金及び利益相反について
「利益相反」とはある人の持っている2つの異なる役割における利益がお互いに相反している状況のことを指しますが、本研究に関わる研究者は、本研究の内容と関係する特定の企業からの資金提供を受けておらず、研究資金は京都府立医科大学から配分される教室費でまかなうため、「利益相反」の状態にはありません。
- 研究の成果の取扱い
この研究によって特許や企業からの寄付など経済的利益を得ることはありません。
- 経済的負担又は謝礼について
この研究に必要な費用は、あなたが負担することはありません。ただし、一般診療に要する費用のうち自己負担分については、あなたに負担していただくことになります。謝礼は支払われません。
- モニタリングと監査について
この研究が正しく行われていて秘密が守られることを前提として、モニタリングや監査、医学倫理審査委員会関係者などが、必要な範囲内で、この研究に参加していただいている皆さまの試料・情報を閲覧する場合があります。
この研究に参加することに同意され、同意書にご署名をいただいた場合、あなたの医療記録を閲覧させていただくことについてもご承諾をいただいたことになります。
- 問い合わせ・相談等について
患者様及びその関係者から相談等があった場合は、小児心臓血管外科外来(毎週月・水)にて実施責任者(小児心臓血管外科 山岸正明)および小児心臓血管外科スタッフがその内容につき丁寧に説明します。相談件数が多い場合は、相談窓口の設置と小児心臓血管外科ホームページ(http://www.cvs-kpum.com)にてFAQを開設します。
(リ) 動脈スイッチ手術における遠隔機合併症を防ぐための新たな術式の成績の検討
- 研究課題名:動脈スイッチ手術における遠隔機合併症を防ぐための新たな術式の成績の検討
- 研究責任者: 京都府立医科大学 小児心臓血管外科 助教 前田吉宣
- 研究担当者: 京都府立医科大学 小児心臓血管外科 病院助教 本宮久之
- 目的と意義:完全大血管転位症に対する動脈スイッチ手術は現在では最も一般的な手術方法になっています。1970年代は死亡率50%近くあったこの術式も医療の発達によって飛躍的に成績が向上してきました。しかし、それが故に術後遠隔期の合併症が近年クローズアップされてきています。最も多い合併症が肺動脈狭窄です。動脈スイッチ手術後は肺動脈が大動脈の前方に位置している症例が多いのですが、左右に分かれる分岐部の所で両側から引っ張られるような形になってしまい、分岐部が狭くなってしまう症例がしばしば見受けられます。そのような合併症を予防すべく、我々は自己心膜(心臓を包んでいる膜)を用いて分岐部を特殊な方法で拡大することにより遠隔期の肺動脈狭窄を予防する方法を2014年より開発し、採用しています。今回、この研究によってこの術式の有用性を確認したいと考えています。
- 研究期間:承認日~2025年9月27日
- 方法:
動脈スイッチ手術後の術後検査において、一般的な心臓術後の検査項目(心臓の収縮機能や各弁の動き・逆流や狭窄の有無など)だけでなく、左右肺動脈に狭窄がないかどうか、それぞれの部分の流速を測定し、狭窄が原因であると思われる加速がないかどうかを検討します。また、3D-CTを用いて形態的に細い部分がないかどうかを確認します。上記の評価項目を診療録と検査結果から採取し、検討を行います。3D-CT画像は電子カルテ上からDICOMという形式のファイルとして取り出し、評価を行います。
- 研究対象者として選ばれた理由:当院で動脈スイッチ手術を受けられた5歳以下の患者様を対象にしています。なお、小児に多くみられる病気のため、未成年の患者さんのご協力が必要不可欠となります。ご協力をお願いいたします。
- 患者様に生じる負担と予測されるリスク及び利益
この検査は術後定例的に行っているものであり、負担やリスクは特にありません。通常の診療により行われるため、特別な利益もありません。
- この試験への参加は、患者様の自由意思によるものです
この研究に参加するかどうかは、患者様の自由意思でお決めください。患者様が参加したくないと思われましたら、遠慮なくお申し出ください。たとえ参加いただかない場合でも、今後の治療において不利益になるようなことは一切ありません。
また、この研究にご同意いただいた後でも、いつでも不利益を受けることなく撤回することができます。ただし、一旦研究論文として発表等を行った段階では、情報を廃棄できないこともあります。なお、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で、研究計画及び実施方法についての資料を入手又は閲覧することができますので、希望される場合は担当医師までお申し出下さい。
- 研究に関する情報公開について
この研究の結果は、患者様の氏名など患者を直ちに特定できる情報を削除して、学会や医学の論文などで発表される予定です。患者様のご希望があれば参加してくださった方々の個人情報の保護や、研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で、研究計画及び実施方法についての資料を入手又は閲覧することができますので、希望される場合はお申し出下さい。
- 個人情報等の取扱い
本研究実施に係る情報を取扱う際は、研究責任者(小児心臓血管外科 特任教授 山岸 正明)が、患者様の個人情報とは無関係の番号をつけた上で管理し、患者様の秘密保護に十分配慮します。また、その情報をパソコンで管理する場合は個人情報の漏洩を防ぐためにネットワークから隔絶された状態で管理します。また、研究の結果を公表する際は、被験者を特定できる情報を含まないようにします。研究の目的以外に、研究で得られた被験者の情報は使用しません。
- 試料・情報の保存及び廃棄の方法
データ収集は実施責任者(小児心臓血管外科 山岸正明)の厳重管理の下、小児心臓血管外科スタッフが行います。患者の個人情報には、イニシャルと生年月日が含まれるが、それだけで個人を特定できる情報ではありません。患者様のデータとカルテを照合することを可能にする情報については情報管理者(小児心臓血管外科 山岸正明)が施錠可能なロッカーに責任を持って厳重に保管します。また、対応表などをパソコンで管理する場合は個人情報の漏洩を防ぐためにネットワークから隔絶された状態で管理します。保管期間は情報の保管期間について、「京都府立医科大学における研究資料等の保存期間等に関する取扱要領」に則り、論文発表後10年とします。
もし、患者様が同意してくだされば、将来新たな研究を行う際の貴重な情報として、保管期間を超えて保管し、新たな研究を行う際の貴重な情報として利用させていただきたいと思います。新たな研究を行う際にはあらためてその研究計画を医学倫理審査委員会で審査し承認を得ます。
- 研究資金及び利益相反について
利益相反とは、寄附金の提供を受けた特定の企業に有利なようにデータを操作する、都合の悪いデータを無視するといった、企業等との経済的な関係によって、研究の公正かつ適正な実施が損なわれるまたは損なわれているのではないかと第3者から懸念される状態をいいます。本研究に関する利益相反については、京都府公立大学法人の利益相反に関する規程、京都府立医科大学の臨床研究に係る利益相反に関する規程等にしたがって管理されています。本研究の実施にあたり、開示すべき利益相反はありません。この研究資金は全て教室費から負担されますが、一般診療に要する費用のうち自己負担分については、患者様に負担していただくことになります。
- 経済的負担又は謝礼について
この研究に必要な費用は、患者様が負担することはありません。ただし、一般診療に要する費用のうち自己負担分については、患者様に負担していただくことになります。
- 問い合わせ・相談等について
患者様及びその関係者から相談等があった場合は、小児心臓血管外科外来(毎週月・水)にて実施責任者(小児心臓血管外科 山岸正明)および小児心臓血管外科スタッフがその内容につき丁寧に説明します。相談件数が多い場合は、相談窓口の設置と小児心臓血管外科ホームページ(http://www.cvs-kpum.com)にてFAQを開設します。
(ヌ) 先天性大動脈弁疾患に対するロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)の遠隔成績
- 研究課題名:先天性大動脈弁疾患に対するロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)の遠隔成績
- 研究責任者: 京都府立医科大学 小児心臓血管外科 講師 小田晋一郎
- 研究担当者: 京都府立医科大学 小児心臓血管外科 助教 前田吉宣
京都府立医科大学 小児心臓血管外科 病院助教 本宮久之 - 目的と意義:大動脈弁疾患に対する外科治療として人工弁(機械弁または生体弁)を用いた大動脈弁置換術、大動脈弁形成術そして自己肺動脈弁組織を用いて大動脈基部置換術を行うロス手術が主な選択肢となりますが、それぞれの術式において長所短所があるため患者年齢や背景、原疾患、合併疾患などを考慮して術式を決定する必要があります。
先天性大動脈弁疾患の場合、抗凝固療法を必要とせず、また弁組織の成長が期待できるロス手術は特に小児や若年女性に対して大きな利点を有しています。
この研究ではロス手術後の遠隔期弁機能や合併症、再手術介入などについて検討を行い、ロス手術の有用性について評価を行うことを目的としています。
- 研究期間:承認日~2030年12月31日
- 方法:
この研究への参加に同意いただきましたら、カルテより以下の情報を取得し使用します。
〔取得する情報〕
年齢(生年月日)、性別、病歴
検査結果(心エコー検査、心臓カテーテル検査、CT検査など)
検査項目:大動脈弁ならびに肺動脈弁(右室流出路)の逆流・狭窄の程度や形態、両心機能など - 研究対象者として選ばれた理由:京都府立医科大学附属病院小児心臓血管外科でロス手術を受けられた全患者さんを対象としています。なお、未成年の患者さんに参加していただくのは小児に多くみられる病気であるため、未成年の患者さんのご協力が必要不可欠となります。ご協力をお願いいたします。
- あなたに生じる負担と予測されるリスク及び利益
研究に参加する間の来院・検査の頻度は通常の診療と同じです。この検査は術後定例的に行っているものであり、負担やリスクは特にありません。
あなたがこの研究に参加することによる直接の利益はありません。この研究は将来の医学の発展のために行われるものであることをご理解ください。
- 健康被害に対する補償について
この研究では、通常の治療で使うお薬以外のお薬を使ったり、特別な医療機器による検査をしたりすることはありませんので、健康被害が生じることはないと考えられることから、特別な補償はなされません。
- この試験への参加は、あなたの自由意思によるものです
この研究に参加するかどうかは、あなたの自由意思でお決めください。あなたが参加したくないと思われましたら、遠慮なくお申し出ください。たとえ参加いただかない場合でも、今後の治療において不利益になるようなことは一切ありません。
また、研究に参加することを同意したあと、いつでも、その同意を撤回することができますので、その場合はお申し出ください。同意を撤回された場合は取得した情報などはすべて廃棄され、診療記録などもそれ以降は研究目的に用いられることはありません。ただし、同意を取り消した時点で既に研究結果が論文などで公表されていた場合などのように、廃棄することができない場合があります。
- 研究に関する情報公開について
この研究の結果は、あなたの氏名などあなたを直ちに特定できる情報を削除して、学会や医学の論文などで発表される予定です。
あなたのご希望があれば参加してくださった方々の個人情報の保護や、研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で、研究計画及び実施方法についての資料を入手又は閲覧することができますので、希望される場合はお申し出下さい。
- 個人情報等の取扱い
本研究に関わる情報を、この研究に使用する際はあなたのお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。あなたと研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、セキュリティーのかかったインターネットに接続できないパソコンで管理します。このパソコンがある部屋は、入室が管理されており、第三者が立ち入ることができません。
この研究で得られた情報は研究担当者(京都府立医科大学 小児心臓血管外科 助教 前田 吉宣)の責任の下、厳重な管理を行います。
- 試料・情報の保存及び廃棄の方法
カルテから抽出した情報は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、京都府立医科大学小児心臓血管外科において助教 前田 吉宣の下、論文発表後10年間保存させていただいた後、研究用の番号等を削除し、廃棄します。
もし、あなたが同意してくだされば、将来新たな研究を行う際の貴重な情報として、保管期間を超えて保管し、新たな研究を行う際の貴重な情報として利用させていただきたいと思います。新たな研究を行う際にはあらためてその研究計画を医学倫理審査委員会で審査し承認を得ます。
- 研究資金及び利益相反について
利益相反とは、寄附金の提供を受けた特定の企業に有利なようにデータを操作する、都合の悪いデータを無視するといった、企業等との経済的な関係によって、研究の公正かつ適正な実施が損なわれるまたは損なわれているのではないかと第3者から懸念される状態をいいます。本研究に関する利益相反については、京都府公立大学法人の利益相反に関する規程、京都府立医科大学の臨床研究に係る利益相反に関する規程等にしたがって管理されています。本研究の実施にあたり、開示すべき利益相反はありません。この研究資金は全て教室費から負担されますが、一般診療に要する費用のうち自己負担分については、患者様に負担していただくことになります。
- 研究の成果の取扱い
この研究によって特許や企業からの寄付など経済的利益を得ることはありません。
- 経済的負担又は謝礼について
この研究に必要な費用は、あなたが負担することはありません。ただし、一般診療に要する費用のうち自己負担分については、あなたに負担していただくことになります。
- 問い合わせ・相談等について
患者さん及びその関係者から相談等があった場合は、下記窓口にてその内容につき丁寧に説明します。相談件数が多い場合は、相談窓口の設置と小児心臓血管外科ホームページ(http://www.cvs-kpum.com)にてFAQを開設します。
連絡先: 京都府立医科大学附属病院 小児医療センター外来
小児心臓血管外科 助教 前田 吉宣(まえだ よしのぶ)
電話:075-251-5045
受付時間:平日9:00〜16:00
(ル) 先天性心疾患診断用「超軟質実物大3D心臓モデル」(crossMedical201901)の術後経過の観察研究
- 研究課題名:先天性心疾患診断用「超軟質実物大3D心臓モデル」(crossMedical201901)の術後経過の観察研究
- 研究責任者: 京都府立医科大学 小児心臓血管外科 助教 浅田聡
- 研究担当者: 京都府立医大 小児心臓血管外科 病院助教 本宮久之
京都府立医大 小児科 特任助教 梶山葉 - オプトアウト:
先天性心疾患診断用「超軟質実物大3D心臓モデル」の有用性検証試験(医師主導治験)に参加された患者さん・ご家族様へ
研究へのご協力のお願い
当院では、以下の臨床研究を実施しております。この研究は、日常診療で得られた以下の診療情報を研究データとしてまとめるものです。研究のために、新たな検査などは行いません。この案内をお読みになり、ご自身またはご家族がこの研究の対象者にあたると思われる方で、ご質問がある場合、またはこの研究に診療情報を使ってほしくないとのご意思がある場合は、遠慮なく下記の担当者までご連絡ください。ただし、すでに解析を終了している場合には、研究データから情報を削除できない場合がありますので、ご了承ください。
【対象となる方】
2020年2月~10月までの間に、先天性心疾患診断用「超軟質実物大3D心臓モデル」の有用性検証試験(医師主導治験)(以下、治験)に参加した方
【研究課題名】
先天性心疾患診断用「超軟質実物大3D心臓モデル」(crossmedical201901)の術後経過の観察研究
【研究責任者】
国立循環器病研究センター 小児循環器内科 白石 公 (研究代表医師)
【研究の目的】
先行する治験に参加されたお子さんに対する術後経過のフォローアップとして、臨床的予後及び有害事象の発現状況を把握し、有効性及び安全性の評価資料として収集することを目的に行います。本結果について、厚生労働省へ提出する製造販売承認申請資料のうち、治験結果の参考資料として利用させていただきます。
【利用するカルテ情報・資料】
術後90日後、1年後におけるあなたのお子さんの状態に関して、主に以下の項目について調査いたします。
・術後経過(生存の有無、再手術の有無とその内容、カテーテル治療の有無とその内容)
・重篤な有害事象発生の有無とその内容、有害事象が発生した場合にはその症状の経過
・お子さんの発達状況
【共同研究施設からの情報の提供】
上記のカルテ情報を次の研究施設から提供を受け、共同で研究を進めます。
- 京都府立医科大学 小児心臓血管外科 山岸正明
- 岡山大学 心臓血管外科 笠原真悟
- 東京大学 小児科 犬塚 亮
- 静岡県立こども病院 副院長兼心臓血管外科 猪飼秋夫
【外部機関への研究データの提供】
上記の診療情報を、次の企業に提供して、共同で研究を進めます。この企業は先行する治験における治験機器提供者であり、本治験機器の製造販売承認申請を行います。
株式会社クロスエフェクト 代表取締役 竹田正俊
同 専務取締役 畑中克宣
〒612-8379 京都市伏見区南寝小屋町 57番地
TEL 075-612-3900
【研究期間】研究許可日より2022年3月まで(予定)
(オプトアウトを拒否できる期限は研究終了の2022年3月31日までとします。)
【個人情報の取り扱い】
お名前、住所などの個人を特定する情報につきましては厳重に管理を行い、学会や学術雑誌等で公表する際には、個人が特定できないような形で使用いたします。また、この研究で得られた情報を将来二次利用することはありません。
【問合せ先】
国立循環器病研究センター 小児循環器内科 白石 公
TEL 06-6170-1070(代表)
京都府立医科大学 小児心臓血管外科 前田 吉宣
TEL 075-251-5111(代表)